014.定め無き世の定め(無常の世の理。生命のある者は必ず死滅するという真理)(オビリン)


お盆になると死んじゃった人が帰って来るんだよ。

昔、父さんだったかそれとも母さんだったか、それとも親戚だったか、とにかく誰かにそんなようなことを言われた。

当時は死んだ人間が帰ってくる、というその言葉だけを捉えて何を馬鹿なことをなんて思ったりもしたものだけれど、歳を重ねてお盆の意味を知って、そして数え切れないくらいの別れを経験した今。毎年訪れるお盆の時期にだけ会うことができる、かつての仲間に思いを馳せる。

何かあればいつも二人の墓の前で報告はしているけれど、この時期だけは本当にあの世からやって来て、オレの話に相槌を打ってくれている気になる。

「今日も暑いな」

リンとそしてオビトの墓の前でパタパタと手で団扇のように扇いでみても涼しくなるわけもなく、一つため息を吐き出して、困った顔を作って、腰を下ろす。

そりゃお前のその格好は暑いに決まってんだろ。ていうか暑苦しい。

カカシはマスクで顔隠してるもんね。

緩やかな風の中。そんな二人の声が聞こえた、気がした。